終活を始めるタイミングはいつ?相談したい時は誰にすべき?

「終活」は比較的新しい言葉ですが、社会的に大きく注目され急速に世間一般へと浸透しました。終活とは、人生の最後の時を意識してこれからの人生をより自分らしく生きるための準備をし、亡くなった後のことにも備えておくことだと言われています。

お葬式やお墓の準備ばかりが注目されがちですが、それだけではなく、医療や介護について、住まいやお金についてなど様々な課題への対策が必要です。日本は世界有数の長寿国なので、特にそうした問題にあらかじめ備えておく人が多いようです。この記事では、終活をどう進めれば良いかについて紹介しています。

医療や介護の分野での終活の進め方

年齢を重ねるとともに避けて通れなくなるのが医療や介護の問題です。自分の意思がはっきりとしているうちは良いですが、認知症になったり体が自由に動かせなくなったりして体調が悪くなってしまうと、家族が色々と困ってしまうかもしれません。そうならないためにも、病気になってしまった時の治療方法や告知についての希望を家族に伝えておくのがおすすめです。かかりつけの病院とその連絡先、自身の病歴や服用している薬などがすぐに分かるようにしておくのも良いかもしれません。終末期医療を希望するのかどうかといったデリケートな問題も、早めに家族に伝えておくほうが良いでしょう。

医療や介護の問題を避けて通ることはできませんが、少しでも家族の負担を軽くすることは工夫次第でいくらでも可能です。そのためには、まず自分自身の考えをしっかりと整理して、伝えるべきことはノートにまとめたり、家族が集まった時に話したりしておくようにしましょう。万が一認知症になった時に備えて、任意後見制度などについて調べてみるのも終活の第一歩です。

お金の管理や資産の承継についての終活の進め方

近年は人生100年時代と言われており、長生きする人の割合が非常に高まっています。長生きできるのはとても喜ばしいことですが、その反面今までにはなかったお金の問題が発生してくるかもしれません。年金などの収入と自分の支出を比較してきちんと家計管理を行い、不足分については預貯金や有価証券などの金融資産で補えるのかどうか試算してみるのもオススメです。最近では、一生涯年金が受け取れるタイプの長生きに備えた保険商品の人気も高まっています。

保有している資産をわかりやすくまとめておくことも、相続が発生した際に家族が困らないので行っておくと良いでしょう。個人の所有する資産は金融資産だけでなく不動産など色々な種類があるので、亡くなった後で資産を誰にどう分けるのかといった争いが発生しないように、資産をまとめると同時に遺言を作成しておくのもおすすめです。相続の発生時に、大切な親族の間でトラブルがないよう備えておく必要があります。

住まいに関する終活の進め方

残りの人生を楽しむ上で重要になってくるのが住環境です。安心して暮らせる快適な住まいがあれば、人生の満足度も大きく高まるでしょう。歳を取ってくると、今までは何でもなかったようなちょっとした段差でもつまずいてしまったり歩きにくさを感じたりします。歳を取っても自宅で安心して暮らせるように、手すりの設置や段差の解消などを行うバリアフリー改修を検討するのも良いかもしれません。高齢者のバリアフリー改修では低金利での融資制度があったり、自治体によっては補助金制度があったりしますので、一度調べてみることをおすすめします。

また、最後まで自宅で暮らすのか、高齢者住居への住み替えを行うのか、または施設に入居するのかを早くから検討しておく必要もあります。施設に入居するにはそれなりにお金がかかるので、計画的に費用を準備しなければなりません。人気の施設は入居を希望する人がたくさんいて、なかなか入りたい時に入居できないというケースも多いので、早くから準備をしておくことが大切です。

お葬式やお墓に関する終活の進め方

お葬式やお墓に関する終活の進め方

終活といえば、まずお葬式やお墓の準備をイメージする人が多いかもしれません。お葬式の様式も様々なものがあるので、色々と調べてみて家族に希望を伝えておくことが大切です。お葬式に呼ぶ親族や友人などの連絡先をリストにしてひとまとめにし、家族に伝えておくのも、万が一の際に残された家族が慌てなくて済むので非常に役立ちます。

また、相続が発生すると銀行の口座が凍結されてしまうので、お葬式の費用や当面の生活費を現金で準備しておくか家族の口座に準備しておく必要があるでしょう。

お墓については、永代供養墓や納骨堂など跡継ぎのいらないお墓を活用する人が増えており、個人の選択の幅が広がっています。
さらに最近では手元供養など新しい形の供養が生まれていますので、お墓の希望についても家族と話し合っておきましょう。自分の亡くなった後のことを生きている間に希望できる大切な機会なので、自分自身の気持ちとしっかり向き合って納得のいくようにしておくことが大切です。

まとめ

「終活」というと辛いイメージを持ってしまう人もいるかもしれません。ですが終活は、これからの人生を精一杯楽しみ、自分が亡くなった後の家族のことを大切に考えるための前向きな作業です。始めるのに早すぎるということはないので、一つずつ進めていくと良いでしょう。

考えをまとめたり家族に伝えたりする際には、ノートに色々と書き出してみるのがおすすめです。「エンディングノート」という便利なグッズもあるので、各書店などで購入してみるのも良いかもしれません。

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