年賀状じまいとは

年初のあいさつの趣旨で、かつては年賀状は当然だすもので途中で停止するとは思いもよらないことでした。ところが平均寿命が延びたことで、年々年賀状作成の負担がクローズアップされるようになっています。同時に注目を集めるようになったのは、終活が普及したことで年賀状じまいに向き合う人が増加する流れになっているわけです。しかし年賀状じまいはまだ一般的ではないこともあり、方法を間違えると関係性が損なうリスクを抱えています。

ネット通販で年賀状の作成サービスを行う都内の業者は、「年賀状じまい」の文例を求める声が数年前から寄せられ、この冬、ホームページ上に「終活年賀状」として掲載したところ、予想を上回る注文が殺到。

やり取りの終了を告げる文例の注文は去年の5倍に上っているそうです。

https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/800/315208.html

年賀状でも終活の波が押し寄せている

年賀状じまいとは、今後年賀状を辞退する旨を伝える書面を郵送でだすことです。年賀状はどちらかが死ぬまでおくりあうのが一般的な習慣でした。しかし忙しい年の瀬のシーズンに年賀状を準備するのは、負担が重く専門業者に印刷を依頼するにしてもコストが嵩みます。

さらに最近向き合う人が増えている、終活が影響している事実は見逃せません。終活における身辺整理の一環として、年賀状のやり取りを整理しようとする向きが増加したため年賀状じまいが急速に注目を集めるようになったわけです。

最近では終活世代ではない、40代や50代の中高年層でも年賀状じまいを実践する人が増えています。携帯端末の普及でお正月でもリアルタイムで連絡を取り合うことが可能になったため、わざわざ年賀状のやり取りをすることにメリットを意識することがなくなってきたからです。20代までの若者層でもメールやSNSで年賀のやりとりをする向きが、むしろ主流になっています。

年賀状じまいのメリットとは

終活の一環として実践する人も多い年賀状じまいですが、大別して2つのメリットを享受できると見られています。まず義理や惰性で増加している人間関係を整理することができます。年賀状経由のやり取りだけで、普段はまったく連絡を取らない知人や親戚などは、結局年賀状作成の負担を大きくしているだけの存在になっていることも。年賀状の住所録に記載されているため、毎年義理でやりとりしていた人間関係を整理することで、本当に大切にしたい人間関係が明らかになります。

もちろん年末の年賀状作成の負担をカットできるのも大きなメリットです。ただでさえ多忙な師走の季節に、配送時期を踏まえて年賀状を作成するのは相当な負担です。特に年齢を重ねると年賀状作成の負担はますばかりです。年賀状を書いて送る手間は、送り先に比例して負担が大きくなります。年賀状じまいをすることで、これまで毎年余儀なくされていた手間や負担を削減することが叶います。

年賀状じまいは相手の心情を慮ることが大切

年賀状じまいは相手の心情を慮ることが大切

年賀状じまいはまだ注目を集めてそれほどの期間は経過していないので、広く普及しているとはいえない状況にあります。年長者などに年賀状じまいを送ると絶縁宣言と受け取られて、先方の心情を害する恐れが存在しています。年賀状じまいの文面では、3つのポイントを抑える必要があります。

一般的に年賀状じまいには、あいさつの文面と年賀状じまいに踏み切った理由、そして代替案の連絡手段の提示、以上の3要素がそろっていることが理想的です。

寒中見舞いなどを年賀状じまいのタイミングとするときも、まずは近況を伝え挨拶を選考させて年賀状じまいをする理由をいきなり切り出さないようにしてください。生活様式の変化や年齢など、年賀状じまいする理由を引き続いて記載します。そして年賀状のやり取りを辞めるからと言って人間関係を終了させるわけではないことを伝えるべく、SNSやメールなど代替の連絡手段を最後に記載しましょう。

年賀状じまいを円滑に実践するコツ

年賀状じまいはあくまで、一人ひとりに向き合って意思を伝達することにあります。自分としては多くの相手に年賀状じまいを出しているつもりでも、相手からすると自分だけに年賀状のやり取りをやめる意向と誤解される可能性があります。そこで年賀状じまいの文言には、「皆さま」や「どなた様」などのように送りテ全体を意識して受け取った方だけでなく、年賀状を送った全員に対して伝えていることを文面に盛り込みましょう。絶縁宣言と受け取られることのないように、今後も付き合いを継続する旨も、文章で伝えるように注意してください。

相手に不信感をもたれないようにするには、定年退職のあいさつや寒中見舞いなどやめるタイミングをわかりやすいイベントと合わせることがベターです。年賀状作成の前に連絡が届くように送ると、相手も年賀状を書かないですみます。喪中で年賀状を出せなかった相手方には寒中見舞いで連絡するようにしてください。

まとめ

最近急速に普及した終活の影響で、伝統的なしきたりのスタイルが変容を迫られるようになりました。また平均寿命が長くなったことで、高齢者になるにしたがって年賀状作成の負担も意識されています。このような年賀状を巡る環境と意識の変化をうけて、年賀状じまいをする人が増加しています。年賀状じまいには挨拶の文言と、年賀状じまいの理由・代替連絡手段の記載など3点がポイントです。相手の心情を害することがないように文面作成にはくれぐれも配慮の気持ちを忘れないで下さい。

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